大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29(オ)256 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告人ら四名訴訟代理人弁護士中村達の上告理由第一、二点について。

昭和二三年一一月七日自創法六条の二によつてたてられた所論買収計画が上告人

らの異議によつて事実上取消され、その後同条の三に定める一箇月の期間内に小作

農らから長崎県農地委員会に対し買収指示の請求のなかつたことは所論の如く本件

当事者間に争のない事実である。しかし自創法六条の三はその明文の示すとおり、

市村町農地委員会が同法六条の二第一項の請求を受けた日から二箇月以内に当該請

求に係る小作地の昭和二〇年一一月二三日現在における所有者が同日現在において

所有していた小作地につき同項の規定により農地買収計画を定めない場合において、

当該請求をした者がその期間経過後一箇月以内に都道府県農地委員会に対して当該

市町村農地委員会に同項の規定により農地買収計画を定めるべき旨を指示すべきこ

とを請求したときは、都道府県農地委員会は、当該市町村農地委員会に対して同項

の規定により農地買収計画を定めるべき旨を指示しなければならないと規定してい

るだけであつて、右争ない場合の如き農地買収計画が異議の申立によつて取消され

た場合の買収指示の請求については何ら言及していない。そして、その文理よりし

てはそのような請求のない場合に都道府県農地委員会は市町村農地委員会に対し再

び買収計画を指示することができなくなるものであると解釈する余地はない。そし

てまた、市町村農地委員会は小作人の申請によつても(自創法六条の二)且都道府

県農地委員会の指示によつても(同法六条の三)また職権によつても(同法六条の

五)遡及買収計画を定めることができるのであるから仮りに所論県農地委員会の指

示が無効であり或は瑕疵あるものであつても、当該農地が遡及買収の適地であれば、

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その買収計画はこれを違法とし或は瑕疵あるものとすべき理由はないのである(所

論指示が一号地に対するものであつても同断である)。

所論はいずれも叙上に反する見解に基いて原判決を非難するものであつて採るを

得ない。

同第三点について。

しかし、原判決は所論特別委員会自体が本件訴願裁決をしたとはいつていないの

であり、ただその挙示する証拠及び弁論の全趣旨により所論特別委員会の議を経て

本件裁決をした事実が推認されるといつているだけであり、右証拠資料に照せばそ

のように推認できないわけのものでもない。所論はひつきよう原判示を正解しない

か、或は原審の専権に属する事実認定を彼これ論議するに帰し、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、九三条、八九条に従い裁判官全員の一致で、主

文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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